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乳酸菌・ビフィズス菌の基礎知識「未熟児の感染症と乳酸菌」

生後３〜４日目になると、母礼児の腸内フローラのほぼ１００％近くをビフイズス菌が占めるようになります。

これが、乳児の免疫力を強化し、感染症の予防に役立っていることは説明しました。

ところが未熟児の場合、出生の直後から抗生剤を投与したり、授乳の開始が通常より遅れるため、腸内フローラの状態が非常に悪く、なかにはビフイズス菌をほとんどもたない乳児もいます。

未熟児に敗血症などの感染症が多いのは、そうした腸内フローラの悪化が大きく影響していると考えられています。

東京都立大塚病院小児科の秋山氏らは、超未熟児（出生時の体重が１，２５０グラム未満）を対象に、ビフイズス菌が感染予防に役立つかどうかを次のような臨床試験で調ぺています。

・臨床内容

１０人の超未熟児を以下の二つのグループに分けて、生後８週目までの腸内フローラの変動を調査しました。

１群：乳児型ビフィズス菌を投与

２群：乳児型ビフィズス菌を投与していない対照群

・結果

ビフィズス菌を投与した１群の乳児は、生後２週目からビフィズス菌優位の腸内フローラが形成されました。

一方、対照群の乳児ではビフィズス菌の出現が遅く、生後６週以降にやっとビフィズス菌主体の腸内フローラができあがったそうです。

また、１群と２群の乳児の中には、それぞれ３人ずつ、生後１週目以降、抗生剤を飲ませていた赤ちゃんがいましたが、ビフィズス菌を投与していた１群の乳児では、抗生剤の影響は少なく、生後２週目には１群のほかの赤ちゃん同様、ビフィズス菌優勢の腸内フローラが形成されていました。

これに対してビフィズス菌を投与していない２群では、抗生剤の影響が大きく出て、抗生剤を飲んでいた乳児のうち２人については、試験終了までビフィズス菌は検出されなかったそうです。

秋山先生らはこのあと、超未熟児に対して乳児型のビフィズス菌ではなく、成人型のビフィズス菌（ＢＢ５３６）をあたえて、同じような効果が得られるかを検討しています。

というのも、乳児の腸内にいるビフィズス菌と、離乳期以降のこどもや成人の腸内にいるビフィズス菌は違う種類のものなので、成人型のビフィズス菌をあたえた場合でも、乳児の腸内フローラの改善がみられるかどうかを調べたわけです。

結果は、成人型ビフィズス菌を投与した場合でも、生後２〜４週というわりと早期にビフィズス菌優勢の腸内フローラができあがったといいます。

参考になさってください。

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