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乳酸菌・ビフィズス菌の基礎知識「腸内フローラからの贈り物／ビタミン」

乳酸菌優勢の腸内フローラは、生体防御に有効に働くほか、いろいろな形で私たちの健康増進に働いてくれます。

それはまるで間借り人が、棲むところを提供している宿主に、毎月「家賃」を払う関係に似ています。腸内細菌たちも、人体との共生を成立させるために、いろいろ気をつかっているわけです。

腸内細菌たちが、私たちにどのような「家賃」を支払ってくれているのかを紹介してみましょう。

２．ビタミンをつくってくれる

ビタミンは、体の調子をととのえたり成長をうながしたりする働きをもつ栄養素です。

不足すると、油ぎれの機械のように体の働きが円滑さを失ない、疲れやすくなったり、思うように動けなくなったり、いろいろな病気を起こす原因になります。

体内ではつくりだすことができないので。逐次補給する必要がありますが、各種ビタミンのうち、ビタミンＢ１、Ｂ２、Ｂ６、Ｂ１２、二コチン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンＫ、パントテン酸については腸内フローラからの供給が期待できます。

特にビフィズス菌は、ビタミンの合成力が強いことが知られており、大腸菌とくらべるとビタミンＢ１の合成能力は２５倍以上、葉酸は１０倍、ビタミンＢ２も２倍と言われています。

ただし、ビフィズス菌のつくりだすビタミンが、果たしてどの程度まで人体に吸収され利用されているのかは、実際のところ、まだよくわかっていません。

というのも、腸内細菌自身も、自分たちのつくりだしたビタミンを消費していますし、なかにはビタミンを破壊してしまう細菌もいるからです。

とはいえ、ビフィズス菌は、他の細菌にくらべてビタミンの消費量が少なく、逆にビタミンの合成力が大きいことから、ビフィズス菌優勢の腸内フローラを保っていれば、人体にも供給されることが期待できます。

実際に、それを示唆する研究報告がいくつか出ています。

たとえば、乳児にビフィズス菌をあたえて、便の中のビフィズス菌が優勢になると（すなわち腸内フローラがビフィズス菌優勢になると）、血液中および尿中のビタミンＢ１量が２〜３倍に増加することが明らかにされています。

また、ラット実験では、葉酸の足りないエサで飼育すると、無菌のラットでは葉酸欠乏を起こすのに対して、腸内に細菌が棲みついているふつうのラットは葉酸欠乏にならないことがわかっています。

そのほか、腸内フローラがビタミンＢ６欠乏の改善に有効に働いたという報告もでています。

さらに、動物性食品を食べない菜食主義者は、ビタミンＢ１２が欠乏しやすいのですが、南インドの菜食主義者の腸内にはビタミンＢ１２をつくりだす腸内細菌が発見されています。

こうした事実を考えあわせると、ビフィズス菌優勢の腸内フローラがつくりだすビタミンの一部は、人体にしっかり吸収されて、利用されているものと思われます。

参考になさってください。

さて、免疫システムを健康な状態に維持してくれるのが、乳酸菌やビフィズス菌に代表される「善玉菌」です。

善玉菌の力を借りながら免疫機能を元気にさせ、便秘を解消し、健康的で充実した日々を送りたいものですね。

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管理人からのコメント

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